岩田正史ランサー

「初代ランサー」
私が三菱自動車に入社して初めて購入した三菱車。当時の国産他車デザインと見比べてみても独特な雰囲気があり、スポーティ且つ軽量/高剛性を絵に描いたようなデザイン。入社早々、世界各地でのラリー選手権での活躍は痛快でもあった。1.6L GSRのサターンエンジンのエンジン音は今でも耳に残っている。この車を描く際、ラリーで活躍する雄姿はどうしても外せない。    岩田 正史 

岩田正史ギャランラムダ

「ギャランΛ」                                              
私が尊敬する貝淵氏のデザイン。スラントノーズ、ロールバー風クオーターピラー、ラップラウンドリヤウインドウとモダンで当時の競合他車を凌駕するデザインであった。彼の指導の元、様々なことを学び、私がデザイナーとしての仕事の実感が初めて持てたクルマでもある。特に特徴的なスラントノーズに埋め込まれた国内初の角型4灯ヘッドランプを用いたラジエータグリルのデザイン図作業は今も忘れられない経験です。   岩田 正史

岩田正史 DODGE RAM-50

「DODGE RAM50」                                     
パジェロやデリカを代表する三菱4WD車の礎となったモデル。国内向けの名称は「フォルテ」。荷箱は東洋工機(後のパジェロ製造)で作られた。スケッチはクライスラーの「DODGE RAM50」のマイナーチェンジモデル。オイルショックの影響から、当時北米では日本製のコンパクトなピックアップトラックは人気がありよく売れた。   岩田 正史

「HSR」
HSRは1987年の初代から1997年の6代目までのシリーズで開発されたコンセプトカーだが、その中でもこの初代はベストだと思っている。外観は、全体から細部に至るまで滑らかな曲面で構成され、リヤデッキの航空機を思わせる巨大なエアブレーキが目を引いた。内装ではドアの開閉に合わせてシートがスライドするなどのギミックが満載で、未来的なコンセプトカーらしさにあふれたデザインだった。徹底的な空力性能の追求の結果、Cd値0.20を達成し、試験走行では巡航速度で300km/hを記録。デザインは今田信孝、仲西昭徳、秋山芳久(ニムラデザイン)の3氏が担当した。   岩田 正史

「mR.1000」
1991年のコンセプトカー。ルーフとリヤウィンドウが電動で収納され、気軽にオープンエアドライブが楽しめるコンパクトでキュートな2シーター・ランナバウトである。エクステリアは、6代目ミニカのキーデザイナー住吉英二氏がデザイン。インテリアデザインは当時デザイン先行開発グループにいた私と吉澤晃君の2人で担当した。インパネは骨格フレームを強調したデザインで、シートは固定して全ての操作系を可動式にするなど、スポーティで斬新なデザインとした。この時は、HSRⅢ、mS1000のインテリアも同時に任されて、目が回るほどの忙しさだったことを覚えている。  岩田 正史